こんにちは!NUTMEG所属の准教授です.アドベントカレンダーの15日を担当します. 今回は,私の実践している中で「最小の時間でクオリティを下げない発表資料作り」の方法を共有します.
今回のデザインは,修論や学会発表などのフォーマルな資料を作成する方はあまり有用ではないと思います.
この場合,デザインは以下のようにシンプルで良いです.
それでは本題です.
発表資料のデザインにおいて,まず意識したいのが配色です. スライド全体に統一感が生まれれば,それだけで資料がシンプルに感じられるからです.反対に,あまりにも奇抜な色使いをしてしまうと,デザインそのものが前面に出すぎて肝心の内容が頭に入ってこなくなることも.
よく言われる「3色までに抑える」という基本ルールは,多くの場合に有効です.
まずは自分の好きな色をベースにすると,何度も使い回せる配色パターンが自然と確立できます.すでに作成した成果物によって配色が決まっている場合,そのまま流用するだけで良いです.
たとえば,「青」をメインとすると
これを元にして作成してみると以下のようにできます.
このようにして色を絞ることによって,シンプルながらわかりやすいスライドを作ることが可能です.
「色選びが面倒…」という方は,まず1色だけ好きな色を決め,その色にマッチするカラーパレットをChatGPTなどのAIツールに尋ねるのも手です.カラーコード付きで提案してもらえるので,時間短縮にもなります.
発表資料は単純に文章を並べただけでは,ひと目で「どこで何について説明しているのか」がわかりづらいものになりがちです.結果として,せっかくの内容がスライド上に埋もれてしまい,聞き手が情報を拾いづらくなってしまいます.
そんな時には,ブロック化の考え方を取り入れると効果的です. ブロック化によって,スライド上の情報を一定のまとまりとして整理できるため,一目で「ここがこのトピック」「このまとまりがこの説明」というように視覚的な区切りが生まれます. このちょっとした工夫で,受け手の理解度が上がります.
ブロック化を実践するために役立つのが,図形の活用です. 四角形や楕円,フレームや囲み線などの図形を使うと,視覚的な情報のまとまりが生まれます.これにより「ここの塊が重要」「この範囲は一緒に理解すべき」というメッセージを伝えやすくなります.
さらに,矢印などの指示的な図形を併用することで,情報の流れを明示できます. 視線誘導がうまくいけば,スライドを見る人はあれこれ迷うことなく,意図した順番で内容を理解してくれるでしょう.簡単な工夫ですが,流れを示す矢印を挿し込むだけで,スライド全体がわかりやすくなります.
いざ発表資料を作るとなると,ブログやWebサイトでパワポデザインに関する情報は山のようにありますが,そこから必要な情報をひとつひとつ拾い集めていくのは時間がかかります.
なぜサイトに頼りきらないほうが良いのかといえば,各サイトで扱っているデザインルールや傾向がバラバラなため,統一感を保つのが難しいことが多いからです.
「統一感が大事」という基本原則に立ち戻ると,体系的にまとまった一冊の本から学んだほうが,自分なりの基準を確立しやすくなります.
もちろん,行き詰まったときには補足的にWebサイトを参照するのも有効です.しかし,まずは本を手元に置いて基本を固めることで,迷子にならずに資料を作成することができます.
ちなみに,私が参考にしている本はこちらです.
パワポdeデザイン PowerPointっぽさを脱却する新しいアイデア
今回の例で示したデザインで作成した資料を以下に添付します.
今回は,私が実践している発表資料作りのポイントを共有させていただきました.ちなみに,上記で触れたテンプレートは,約30分程度で作成することができています.ちょっとした工夫を積み重ねるだけで,スライド作成の時間を削減させることが可能です.ぜひ実践してみてください.
この記事が,少しでもみなさんの参考になれば幸いです.
最後までお読みいただき,ありがとうございました.