Nutmeg advent calendar 2023

電気味覚とTGIの実験をやってみた

電気味覚とTGIの実験をやってみた

あいさつ

こんにちは! NUTMEGのサーバ部門&ハード部門を担当している学部3年のオノディーです。 NUTMEGアドカレもすでに12日目となりました!

NUTMEGがIT特化の技術集団ということもあり、個人的にも「ディジタル庁のwebサイトがやばすぎた」や「地下鉄のホームドア改良策がすごすぎる件」などの最近の事案に触れたブログを執筆したいなぁと思っていましたが、私自身の力量がなく、、、orz

よって、本ブログでは高専時代に少しだけ齧っていた電気味覚とTGIについて、NUTMEGの活動とは全く関係のない内容ですが、ご紹介したいと思います。

補足

デジタル庁のサイトやばすぎるwww

「QRコードで電車」は便利か、JR東日本が始める新たな取り組みの可能性

電気味覚&TGI

まずは電気味覚とTGIについて「ChatGPT3.5」がご紹介します。

電気味覚とは

電気味覚(でんきみかく)は、一般的な五感の中の味覚に関連するものではなく、新しい技術やデバイスを用いて電気刺激を利用して味を再現する技術や概念を指すことがあります。これは、主に視覚や聴覚における技術の進化に続くものとして注目されています。

例えば、電気味覚技術を用いた場合、特定の電気刺激を与えることで、人々が特定の味や香りを感じることが可能になります。これは、食品や飲み物の味を再現するだけでなく、仮想現実環境やゲームなどの多岐にわたる分野で利用される可能性があります。

ただし、電気味覚技術はまだ研究段階であり、実用化には課題が多く残っています。研究者たちは、人間の味覚を正確に再現するためには、複雑な味覚のメカニズムを理解し、効果的な電気刺激を提供する方法を見つける必要があります。

TGIとは

Thermal grill illusion(サーマルグリルイリュージョン)は、感覚の異常を示す心理生理学的な現象の一つです。この現象は、温度と触覚が複雑に絡み合った状況において発生します。

サーマルグリルイリュージョンは、一般的には次のような実験で認識されます。金属のバーが交互に冷たく、温かい、冷たい、温かいといった順で配置されている場合、被験者は通常、中央の冷たいバーが熱いものと感じることがあります。逆に、温かい領域が生じるときに触れた場合には熱痛を感じることがあります。

このイリュージョンは、触覚と温度感覚が複雑に結びついて生じるもので、感覚の統合が誤解を生むことを示唆しています。具体的には、冷たさと温かさの感覚が同時に刺激されたときに、中央の領域で反対の感覚が生じるという特異な現象です。

サーマルグリルイリュージョンは、感覚統合や知覚のメカニズムに関する理解を深めるための実験的な研究において使用されています。


電気的な刺激や温度差によって、味覚が変わったり、痛覚が刺激されるとは、、、 これはやってみるしかないですね!!

注意

まずは注意事項についてです。 本ブログは完全に「やってみた」という内容なので、安全ではありません。 実験を行う際には、次の「前提」でも書いていますがしっかりと周りに人がいる状況で行ってください。

前提

用意するものを以下に示します。

電気味覚

  • フォーク
  • 9Vの箱電池
    • 2個ぐらいあると良いかも
  • 適当な線材
  • 食べ物
    • バナナとか塩味のあるものとかあると良いかも
  • スイッチ
  • 軍手
    • 周りに人がいる状況で実験を行ってください

TGI

  • 七味
    • 本当は唐辛子が良いらしい
  • ミンティア
    • スースーするやつ
    • 吐き出せるように

手順

電気味覚

この記事を参考にして実験を行ってみようと思います。

記事より以下の図のような構成を考えてみます。 口でフォークを咥えることで閉回路が構成されて、良い感じに電気味覚を感じることができるみたいです。

image

今回の実験で、実際に構成したものを以下の図に示します。 図のように軍手に端子をつけて常に肌に端子が触れるようにしています。 また安全装置としてスイッチを回路中に設置し、スイッチが押されている間だけ電流が流れるようにしています。

IMG_0599.JPG (313.4 kB)

実験結果

電気味覚

フォークを咥えたら電圧のようなものを感じました。具体的にはなにかに舌が押されている感覚で、読んで字のごとく「電気の圧力」を感じることができたと思います。 またフォークにバナナを刺して一緒に食べてみました。結果として、バナナにアルカリ性の苦味(?)が加えられており、通常のバナナとは全く異なる味を感じることができました。 その他、塩味のあるものではちょっとだけ塩味が強くなった気がしました。

電気味覚に関する注意

今回の実験では長時間フォークを咥えていると、服などに静電気(電荷)が帯電して口の中で放電が起こったりします。実際に実験中には放電してしまい、口の中がピリピリとしてしまいました。もし実験を行う際には、3~5分に一回は窓のサッシなどで除電すると良いと思います。

TGI

高専時代の先輩が素晴らしい記事を公開しているので、そちらを参考にします。面白い論文と共に内容をまとめてくださっているので、ぜひみなさんもご一読ください!

さて、記事の中では、ミンティアと唐辛子を用いてTGIを生起させていました。 本ブログでも同じような実験を行ってみようと思います。

やってみる

  1. ミンティアを噛み砕き、舌の上で転がしておきます。
  2. 七味を口の中に入れ、ミンティアの欠片と良い感じにミックスさせます。
  3. 少し待ちます。

実験結果

舌の上がびっくりするほど熱く感じます。 また七味とミンティアの等分量だけ多くすることで反応後に舌がビリビリと刺激されるようになりました。

実験のまとめ

今回は電気味覚とTGIの簡易的な再現実験を行い、主に味覚に対する擬似体験をやってみました。 結果として、電気味覚の実験では電気自体は「刺激」というベクトルの特性を持っているだけで、電気を「味覚」として感じることはできないことがわかりました。これはそもそも電気の味を感知する味蕾がないor発見されていないので当たり前体操です。

しかし、今回の実験では、アルカリ味や塩味の増強作用が確認できました。これは電気分解をはじめとする電気の化学的な作用によって食べ物の成分構成が変化していると考えられます。実際に、電気味覚を主原理とした味変デバイスも開発されており、今回の実験では似たような現象を体験することができました。

またTGIの実験では熱いもの(辛いもの)と冷たいもの(清涼感があるもの)を交互に食べてみて実際に痛覚刺激を感じることができました。このTGIに関しても電気味覚と同様に専用デバイスが開発されており、公開されている研究論文によるとペルチェ素子を用いて温+冷で痛覚再現を行っているようです。

さいごに

疑似体験と聞くと私の場合にはiPhoneのホームボタンを思い浮かべます。ホームボタンの場合では、ボタンが押された瞬間に内部の振動子がボタンを押した感触になる振動を発生させています。よって、ユーザはボタンを実際には押していないにも関わらず、疑似的な振動を「押した感触」として認知しているのです。今回行った実験の場合では、実際は塩っぱくないのに塩っぱい気がするという疑似体験を得ました。味覚などは生理的な現象を元にしているので、倫理的な問題などで普及が難しいとされています。しかし、例えばVR内で食べている食べ物の味を現実でも疑似的に体験できたらすごく楽しそうですよね!

ディジタル内の感覚を現実世界で感じることができるようになるのは何年後のことかはわかりません。しかし、今回のような簡単な実験を通して、疑似的な感覚を体験できたのはすごくドキドキ・ワクワクしました!


お読みいただき、ありがとうございました!

明日はNUTMEGアドカレ13日目 JOJOのブログです!